凸庵の生存戦略

とあるベンチャー企業でプログラマをやっていて発達障害(ASD)をもつ私の生存戦略や技術ネタなんかを書いていきます

自分の障害を職場に伝えたほうがいいのか隠しておいたほうがいいのか

どうも仕事での消耗が激しいなぁと思っている今日この頃です。
今日はそれでも書きたいことが見つかったので書いてみようと思います。

それは自分の障害を職場に伝えるか隠しておくか という問題についてです。
多くの人が悩んでいると思いますし、私も悩んでいた時期があります。

絶対的な正解はないと思っていますので参考程度の意見になりますが、私の考えを書いていこうと思います。
読者の方と意見が違っていてもまったく問題ないと思いますし、私と同じことができなくても自分を責める必要はありませんし、もっといい方法を見つけている方がいるだろうと思います。

そういう考え方もあるのね くらいでご覧いただければちょうどいいと思います。

※ 凸凹の度合いは人それぞれなので万人に当てはまる考え方ではないと思っています。
私と同様に、症状を隠して何とか一般枠で仕事をしている人について、私の考えを書いています。

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想定読者と要点

以下のような方の参考になるかもしれません。

  • 何とかやれてるけれども職場に自分の障害を隠しているが言ったほうがいいのかどうか迷っている
  • 自分の障害を隠して働いている人の考え方を知りたい

要点は以下の通りです

  • 職場には言わないほうが無難
  • 言う場合は転職覚悟で
  • せめて自分は他者に寛容でありたい

それでは本編スタートです。

自分の場合

私は職場では、ごく一部の人以外には自分の障害を伝えていません。
理由は、配慮という形で気を使わせてしまうのが心苦しいのと、何か失敗した時の叱責の種になるのが嫌だからです。

幸い私は昔からプログラミングに興味がありましたので、自分が勉強していけば自分が苦手な部分に目をつぶってもらうくらいの成果を出すことができる可能性がありました。
自分なりの方法で苦手な部分を代替する方法を編み出しながらプログラミングスキルを伸ばしていき、現在はおおむね問題なく過ごすことができています。

現在の職場の人たちは話が分かる人たちなので、障害のことを言ってしまってもいいのかもしれないと思うこともあるのですが、その必要性を感じないどころか将来的なリスクになりうるので言う気はほとんどありません。

私が慎重になっているのは過去のある出来事があったからです。

以前うつ病で休職→復職した時の経験

私は20代前半にうつ病のために半年ほど休職していたことがあります。
その後復職したのですが、当時の上司は私が何か失敗すると私の言い分を聞いてくれる方ではありませんでした。
多くは私のケアレスミスだったと記憶しているのですが、抗うつ剤を飲んでいて頭がぼわーっとしている状態でミスなく仕事をこなすことは私にとってとても困難なことでした。

ミスした時に「抗うつ剤を飲んでいて頭がぼーっとしていまして・・・」といったこともありますが、当時の上司はうんざりした顔をして「はいはい、それを言い訳にするのね。言っておくけどお前のは病気じゃなく甘えだからな。」という趣旨の内容を私に話してきました。

その時の体験がとても嫌だったので、それからはミスをしても言い訳しないようにしていました。 すると今度は一時間以上もお叱りの言葉を受けることになり、それはそれで辛い状況になってしまいました。

仕事も楽しいとは思えなかったので、復職して数年後にその会社をやめました。

個人的な考えのまとめ

おそらく多くの会社で似たような体験をしている人がいると思います。

もちろんミスしないよう仕事をこなしていけるのが一番良いとは思いますが、人は必ずいつかミスをします。
自分がミスをしてしまったときに周りの人たちが「何が障害だよ」とか「なんでこんなこともできないんだ?」なんて言ってくるような職場に勤めている場合、自分の障害をその人たちに知られることはリスクでしかないと私は思っています。

その人たちはきっと障害について聞かされても考えを変えてくれることはなく、むしろ格好の攻撃材料にしてくるでしょう。

職場には障害を伝えないほうが無難

これは私の印象ですが、日本のほとんどの職場では多様性を受け入れる土壌はないと感じています。
なので、障害を伝えなくても良いのであれば伝える必要はないと考えています。
むしろ障害を伝えることで何かミスをした時や飲み会の場などのタイミングで攻撃する材料を周りの人たちに与えてしまうと考えています。

もし今いる職場にいる人たちが、誰かがミスした時に「まずは原因を調べよう」とか「問題を解決したら再発防止方法を考えよう」というように建設的な話をしてくれる場合には、もしかしたら障害について伝えたら協力してくれるかもしれません。 しかしそのような職場はほとんどないのではないかと私は感じているので、職場には攻撃材料を与えないよう障害を伝えないほうがよいと私は考えています。

それでも職場に伝える場合は

とはいえ障害のために自分が苦手な部分を手伝ってもわないとどうしても業務を遂行できないこともあると思います。
その場合は「実は私、発達障害なんです」と伝えるのではなく、なるべく具体的に

  • 困った時の状況
  • その時自分がどう考えたり感じたりしていたのか
  • どういうときにミスしやすいのか
  • 何を手助けしてほしいのか

をなるべく具体的に文書で伝えるのが良いと考えています。
障害名を伝えても多くの人は具体的な症状をイメージできないため、単にレッテルを張られてしまったり『やっかいな言い訳』と解釈されてしまう可能性が高いからです。

もしうまくいかなかったり伝えた内容をもとに攻撃されるようであれば、その職場をあきらめて転職する覚悟は必要だと思います。

それは障害を伝えず上長や会社から業務遂行能力を問われる状況になって「自分はダメな奴だ」と自分で自分を追い込んでから転職するか、やれることをやってダメだったから転職するかの差でしかありません。

会社に自分の障害を伝える場合は自分を受け入れてくれる職場がどこかに存在すると信じて、転職覚悟で行動するしかないと私は思っています。

クロージング

多くの職場では他者に寛容ではありません。
だからミスが多かったり障害を持っている人に対して風当たりが強いのだろうと思っています。

明日からいきなり周りの人たちが自分を受け入れてくれることはないと思います。
それでも誰かが始めなければ誰も他者に寛容になっていかないだろうと強く思っていますので、私はなるべく他者に寛容であるよう心掛けています。

誰かから拒絶されたり攻撃されたことがある人は、違う考え方の人がいるということを感じることが多いと思います。
そういう人だからこそ自分とは違う考え方や価値観を受け入れやすいのではないかと思っています。

本当はここに書いたような覚悟なんかせずに自分の障害について言えるような世の中になるのが一番いいんですけどね・・・。

ここまで見ていただきありがとうございました。 見ていただいた方にいいことがありますように。