凸庵の生存戦略

とあるベンチャー企業でプログラマをやっていて発達障害(ASD)をもつ私の生存戦略や技術ネタなんかを書いていきます

歳をとればとるほど人生が楽しくなってきているから死ぬなんてもったいないよというお話

夏休みの終わりの時期だからか、いろんな方面から「つらかったら逃げてもいい」とか「無理せず休んでもいい」みたいなキラキラした言葉がよく目につくようになりました。

おとなになった私目線では完全に同意なのですが、不登校当事者だったこどものころの私が見たら「それができたらだれも自殺なんかしないんだよ」とか「このひとはやさしい言葉を使っている自分に酔ってるんだな」みたいなことを考えて、とても心に響かなかったと思います。

こどものころの自分を助けてあげるために、今の私からこどものころの自分に宛てて文章を書いてみようと思います。

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想定読者と要点

以下のような方の参考になるかもしれません。

  • いまの環境が辛いけども逃げられない
  • 逃げてもいいとかいうきれいな言葉は聞き飽きた
  • 周りの困ってそうなひとにどう声をかけていいのかわからない

要点は以下の通りです

  • こどものころよりおとなになってからのほうが1000倍人生が楽しい
  • だからなにもいま急いで死ぬ必要はない
  • だれかに迷惑をかけずに生きていくことはできない
  • 将来のことは未来の自分に任せよう

それでは本編スタートです。

ちょっとだけ自分のお話

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↓の記事にも書きましたが、少し自分のお話を。 h-navi.jp

私は小学校中盤から中学校の最初の方にかけて不登校でした。 当時はいまのように不登校なんて言わずに、登校拒否児なんて呼ばれていました。
(社会問題になるすこし前くらいだったので、わりと時代の最先端を突っ走っていたんですね。

そのころは学校の人に見つかると確実に嫌なことを言われるので、同じ学校の人が外に出る時間には外に出ないよう息をひそめて生活していました。

そんな生活をしていたので、夏休みは学校の人いつ学校の人と出会うかわからないから外に出れない嫌な時期でした。
それでも日中家にいても誰も攻めてこないので、心苦しくなくゆっくり家にいれてよかったと思っています。

夏休みが終わるころになると、両親や周りの人から「キリもいいしちょっと学校に行ってみてもいいんじゃない?」というプレッシャーがかかってきました。

こういう状況は当時の自分にとってはとても嫌なことでしたが、自分としても「もしかしたらこれを機に行けるようになるかもしれない」なんてことを思って少し学校に行ってみて、見事期待を裏切られる なんてことを毎年繰り返していました。

そのたびに「自分の将来は真っ暗だ。大人になった自分はどうやって生きていくんだろう・・・」という不安に押しつぶされて夜も寝れない日々が続いていました。

そんな私も気づくとプログラマーとしてそれなりに評価をしてもらって、30歳になるころに結婚もできました。
これは私がこどものころには想像できなかった、それなりに普通の生活だと思っています。

とりあえずもうすこし生きてみよう

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いまの自分は生きていてもしょうがない。小学校もまともに通えない自分になんて生きている価値なんてないしできることも何もないんじゃないか。

当時の自分はよくそんなことを思っていました。自分はいったいこの先どうやって生きていくんだろう・・・なんていう将来への漠然とした不安にもずっとさいなまれていました。

疲れ切っていて精神的なエネルギーが切れてガス欠状態にあると、どうしても悪いことばかり考えてしまうことと思います。

この文章を読んでいる人の中にも当時の私と同じようなことを考えている人がいるかもしれません。

そういう方は、ぜひもう少し生きて欲しいです。きれいごとを言っているのではありません。
もっと単純に、人生はこれからもっともっと面白くなるのに、つまらないままやめてしまうのはもったいないと思うからです。

早々に自殺するのはスルメゲーを楽しみ切る前に辞めるのと同じくらいもったいない

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例えばダークソウルというゲームがあります。これは難易度がとても高く、プレイヤーが慣れるまでは最初に出会うザコ的すら倒せずひたすら倒される高難易度のゲームです。

若いうちに自殺してしまうというのは、私にとってはこのダークソウルを最初のステージであきらめてしまうのと同じくらいもったいないことだと思います。

なぜなら、このダークソウルというゲームはプレイヤが慣れてくると、防具を捨てて武器と盾だけで進み始めたり、タイムアタックを始めてしまうくらい病みつきになってしまうとても楽しいゲームだからです。

もしかしたら若いうちに自殺してしまう方の人生も、このダークソウルのように病みつきになってしまうようなものだったかもしれません。だからもったいないと思うのです。

歳をとるほど人生が楽しくなってくる

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実際に私の人生は20歳後半になるまではとても苦しいものでした。
将来への不安はなくならないし、お金もないし、周りのひととも馴染めないし、仕事は文字通り死ぬほどつまらない。率直に言って何も楽しくありませんでした。

それでも技術があればもっと楽しい仕事ができるしお金も手に入ると思っていたので、あきらめずに開発手法や設計・プログラミングの勉強だけは続けていました。

そして20歳の後半になると、ずっとあきらめず勉強してきたことが実り、転職した会社である程度認められるようになってきました。

それからは仕事が楽しくなってきましたし、自分が使えるお金も増えてきて、やれることがどんどん増えてきました。
いままで海外に行ったこともありませんでしたが、そろそろ海外旅行に行く計画も立てています。

歳を取るにつれてやれることや自分でできることが増えてきて、どんどん人生が楽しくなってきています。
もっと自分にとって楽しいことを知る前にギブアップすることは、とてももったいことだと私は思います。

いまの心配事を何とかしてくれるスーパーヒーロー・・・?

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そうは言っても、いまつらいことを何とかしたいものですよね。

これが物語であれば、あなたが一番つらいときに誰かが颯爽と駆けつけてあなたを助けてくれることでしょう。

しかし多くの場合、残念ながらあなたを助けてくれる存在が突然現れることはないと思います。
ひどいときには助けを求めても誰もその手を取ってくれないかもしれません。私もそんな経験があります。

そんな状況でも自分を助けてくれる存在がいます。それは未来の自分です。

将来のことは将来の自分に考えてもらおう

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明日の重荷に昨日の重荷を加えて、それを今日背負うとしたら、どんな強いひとでもつまずいてしまうでしょう。

これは私が一番好きな本である「道は開ける 文庫版」の一番最初の章に書いてある一節です。

私はこの文がとても大好きです。

先のことを考えなくてもいいと言っているのではありません。過去と未来に押しつぶされそうになったら、両方捨ててしまおうという考え方です。

私もときどき昔の出来事やこれからの将来を心配してしまい、生きていくのがつらくなってしまうことがあります。

そんなとき、私はこの一文を思い出して過去のことも未来のことも全部いったん横に置いておくようにしています。
そうするといつのまにかドキドキしていた心が落ち着いてきて、その心配事が本当に心配しなきゃいけないことなのかを考えることができるようになってきます。

過去のことはもう変えられないのだから考えてもしょうがないし、将来のことは未来の自分がうまいこと考えて何かやってくれるはずです。

自殺まで考えてしまうほど苦しいいまの状況を経験した少し未来の自分は、きっといまの自分では想像もできない自分になっていますよ。

将来のことは横に置いて少し足を止めてみよう

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その想像もできない未来の自分に将来のことを任せて、いまの自分は何もせずぐったりしてみましょう。

そしてそのうちちょっとやってみたいこと絶対にやりたくないことが見えてきたら、やりたいことを実際にやってみて、やりたくないことを回避する方法を模索してみましょう。

未来の自分はやってみたいことと絶対にやりたくないことの先にいると私は思います。

いまは何も思いつかなくても、ゆっくり休んでいるときにふと思いつくこともあるかもしれません。それまでは足を止めて何も考えない時間を持ってもいいと思いますよ。

だれかに迷惑をかけてもいい

だれかに迷惑をかけてしまうからゆっくりできないということもあるかもしれません。

30歳を過ぎたおじさんからすると、誰にも迷惑をかけずに生きていくことはできません。
自分がゆっくりするためにだれかに迷惑をかけてしまっても仕方がないと思います。

その代わりあなたが誰かに迷惑をかけられる状況になったとき、なるべくその誰かを助けてあげればそれでよいのだと思います。

クロージング

他のひとと同じような経験をしていなかったら将来つらい目にあうんじゃないか・・・と心配しているひともいると思います。

ご安心ください。他のひとと同じような経験をしたひとはみんなと同じようなつらい目にあいますし、他のひとと違う経験をしたひとは他のひとと違うつらい目にあいます。

学校生活では周りと違うことが悪とされているので不安になると思います。
しかし、仕事をするようになると周りと違うことが武器になる場面が多くなります。それを突き詰めることで、他のひとには簡単にマネできない成果を出すことができるようになります。

いまがつらくて身動きが取れないときには、未来の自分に全部預けて少し足を止めてみても大丈夫だとおもいますよ。

きっと未来の自分がうまい具合にやってくれます。

ここまで見ていただきありがとうございました。
見ていただいた方にいいことがありますように。