いわゆる視覚過敏についての個人的なまとめと困りごとについて
先日縁があって視覚過敏についてのインタビューを受ける機会がありました。
「視覚過敏あるから応募してみよう」という軽い気持ちで応募したのですが、いざ話す段になるとなかなか視覚過敏でこまっている状況を説明できませんでした・・・。
それからも隙を見ては考えてしまう状況になってしまっているので、文字にして書き出してみようと思います。あるある話としてみていただければ幸いです。
想定読者と要点
以下のような方の参考になるかもしれません。
- 視覚過敏がどういうものなのか知りたい
- 他のひとはどんな症状があるのか知りたい
- 視覚過敏に関連してどんな困りごとがあるのか知りたい
要点は以下の通りです
- 対応策があるので日常生活を送るだけなら視覚過敏単独ではそれほど困らない
- 個人的には視覚過敏より聴覚過敏のほうが辛い
- 他の過敏と混ざると疲れがすごい
それでは本編スタートです。
そもそも視覚過敏って何?
インタビューが終わってからどういう症状が視覚過敏なんだろう・・・と考え込んでしまったので、自分なりに調べてみました。
参考になりそうなサイトを末尾に張り付けておきます。
※「視覚過敏 症状」で検索すると「知覚過敏」に関連するサイトがたくさん見つかるのですが、知覚過敏との入力間違いを心配してくれるgoogleのやさしさを感じました。
一般的な症状についての個人的なまとめ
個人的にざっくりとした症状を以下にまとめてみました。 (詳しいことは本記事末尾の参考サイトをご参照ください)
- 視界に砂嵐のようなノイズが出てくる
- ちょっとした光でもすごくまぶしく感じてしまう
- 色のコントラストが強く見えてしまう
- 色がわからなくなってしまうときがある
- 文章を読むときに文字そのものや背景色が邪魔をする
- etc...
調べてみると自分の症状以外のことについていかに興味がなかったのかがよくわかる、バラエティに富んだ症状があることがよくわかりました。
自分の症状
以上を踏まえて自分の症状(と思われるもの)を書き出していきます。
- 蛍光灯やディスプレイの光、ぴかぴか光る看板をまぶしく感じる
- 天気がいい日は目が開かずに薄目になってしまう
- 疲れているときは蛍光灯がチカチカ点滅しているように見える
- 白い背景に書かれている文字が見えづらい
- 天気がいい日に日陰から日なたにでると、1~2秒くらい視界が真っ白になって何も見えなくなる
- カラフルなものをパッと見た時にすごくコントラストが強く見えることがある(目を細めるとちゃんと見える)
- 暗い場所で電球などを見ると、フィルタがかかっているようにキラキラして見える
(こちらの写真の光の見え方が結構近いイメージです 工場夜景 Ⅷ | 街並み・建物 > 夜景の写真 | GANREF )
正直、症状を調べてみなければ視覚過敏だと思っていなかったことが結構ありました。
自分の中で普通だと思っている事象を症状として人に伝えるのって難しいものですね・・・。
自分の視覚過敏での困りごと
症状を列挙してみたところで、先日インタビューでメインで聞かれた「困りごと」について考察してみようと思います。
・・・といっても自分自身これが普通だと思っているので、困りごとといわれてもあまりピンとこないんですよね。
光をまぶしいと思うことは日常生活で結構辛いと感じることは多いですが、サングラスなどの道具を使うと回避したり、ギリギリまで薄目にしたり、最悪目をつむれば何とかなることが多いので、個人的な困り度はあまり高くありません。
しいて日常で困ることと言えば、白い背景に文字が塗りつぶされてしまったように見えて本や資料を読みづらかったり、パッと見てbとdの区別がつかないことがあることが困るといえば困っています。*1
個人的には視覚過敏よりも、耳をふさいでも聞こえてきてしまう聴覚過敏の方が個人的な困り度が高いです。
(聴覚過敏については以前書いたことがあるので、興味がある方はご参照ください)
totsuan-seizon-senryaku.hateblo.jp
もうちょっと考察してみる
これではさすがに味気ないので、もう少し視覚まわりの困りごとを考察してみようと思います。
人混みや家電量販店などにいったとき、目で見る情報量が多いと非常に疲れてしまいます。
例えばカラフルなポップだったり、たくさんの人の顔・服・持ち物だったり、ぴかぴか光る家電類だったり。
これは視覚過敏によるものなのか自分でもよくわかりませんが、単純に目に入る情報が多いのでその情報処理につかれてしまうことが多いです。
例えば人ごみでこちらを向いている目に逐一気づいてしまい、「なぜこっちを見たんだろう?」とか「もしかして知り合いかも?」とか「なにか気に入らないことをしたかも・・・」なんていうことを毎回考えてしまいます。
急に視界にある物が動いた時に、その動きを想定していないとものすごくびっくりしてしまうこともあります。*2
そういう細かいことの積み重ねで疲れてしまうのが一番の困りごとだと感じています。
実際には音やにおいなど、他の感覚についても同じように情報処理をしているので、よりぐったりと疲れてしまうんですね・・・。
クロージング
ちょっと考えてみましたが、私の場合は視覚過敏単品で困るということはあまりないのかなぁと感じます。
ひとつひとつは大したことがない感覚過敏が束になってかかってくるので、その対応にいつも頭のリソースを使っていたり、五感で感じた情報を処理することに頭のリソースを使っているために疲れてしまうことが一番の困りごとだと思います。
個人ごとに感じ方が違うので一般的な結論ではないと思いますし、別のタイミングでもう一度考えてみたら別の結論になるかもしれませんが、ひとまずはこれを自分の結論にしようと思います。
ここまで見ていただきありがとうございました。
見ていただいた方にいいことがありますように。
参考にした情報
リタリコ 発達ナビ h-navi.jp
こども情報ステーション byぷるすあるは kidsinfost.net
視覚過敏についての論文(論文へのリンクは控えさせていただきます)
自閉スペクトラム症の得意な資格とその発生過程の計算論的解明:知覚体験シミュレータへの応用
長井 志江,秦 世博,熊谷 晋一郎,綾屋 紗月,浅田 稔
自閉症やASDがある人がお散歩しているときのイメージ*3 www.youtube.com