凸庵の生存戦略

とあるベンチャー企業でプログラマをやっていて発達障害(ASD)をもつ私の生存戦略や技術ネタなんかを書いていきます

きみがどう感じているかはわからないけど、どう考えているかは想像できるよ

今までも書いてきましたが、私は相手が何を感じているか直感ではわかりません。
私からすると相手が何を感じているのか直観的にわかる人はエスパーか何かだと思っていましたし、今でもそう思います。

そんなエスパーめいた人に、昔の私はあこがれていました。

他の人ができるなら自分でももしかしたらなんとかなるんじゃないか?

そう思って昔からやってきたことを書いていこうと思います。

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想定読者と要点

以下のような方の参考になるかもしれません。

  • 人の気持ちがわからなくて困っている
  • 人がどんなことを考えているのか興味がある
  • ASDの人がどんなふうに人の気持ちや考えをとらえているのか知りたい

要点は以下の通りです

  • 感じるんじゃない、考えるんだ!
  • 過去の経験をもとに心境と状況予想してひたすらトライ&エラー
  • 慣れてきたら人格ごとに分類

それでは本編スタートです。

感じるんじゃない、考えるんだ!

直感で相手が感じていることがわからないけれども何を感じているか知りたい。

この難問を解決するために、私は考えることにしました。

つまり、相手が何を考えて何を感じているのかを過去の経験をもとに自分の論理で類推しようと考えました。

もちろん最初からそうしようと思ったわけではありません。
それまでは空気の読める人のマネをしてみたり、占いにハマってみたり、哲学書を読んだりしてみました。
今考えれば無理して何とかしようとしてたんだなぁと思います。

自分が考えていることを相手も考えるだろうと思っていたこともあります。
しかし、結局のところ誰にとっても嫌なことや誰にとってもうれしいことくらいしか類推することができませんでした。
このころは自分が他の人とは感覚がずいぶん違うことを思い知らされました。

それでも何もしないよりはずっと良かったのですが、より良い成果を求めて色々試した結果この方法に行きつきました。

今までの経験と記憶をもとに相手の考えや感情を類推する

と言われても具体的に何をすればいいのかいまいちピンとこないと思います。

やっていることはAIと大して変わりません。 過去自分が経験したことをもとに、相手の考えを予想するだけです。

といっても単に自分の経験だけをもとにするわけではありません。

  • あの時あの人はこんな顔をしていた。きっとこういう意図があったんだろう。
  • あの時あの人はこんなことを言っていた。きっとこう考えた(感じた)からだろう。
  • あの時あの人はこんな行動をしていた。きっとこういう気持ちだったのだろう。

こんな具合に場面場面で見聞きした情報を覚えながら、なぜそうだったのか仮説を立てておきます。 そうすることで

  • あの人がこんな顔をするときはこんな意図があるからだろう。
  • あの人がこんなことを言うのはきっとこう考えたからだろう。
  • あの人がこんな行動をとっているのはきっとこういう気持ちだからだろう。

という具合に、行動から考えを予想することができるようになります。
※ 以降は過去の経験をもとに相手の気持ちや行動を予想することを、単に「類推」と書いていきます

しかしやり始めたころはまったくもって予想と行動が一致しないと思います。
なぜなら「こんな時にこんなことをするのはどう考えているからか?」というデータや仮説が少ないからです。
こればかりはどうしようもありません。

実際に人と話したり本を読んだりして答え合わせをしながら精度を上げていくしかないと思います。

人と会うときはひたすらトライ&エラーで情報収集

ということで、もし私と同じような方法で相手の考えを類推するのであれば、人と会うときは絶好の情報収集タイミングになります。
予想と検証を繰り返して、相手の考えと行動を覚えていきましょう。

類推が外れてもそれほど気にすることはありません。
相手の気持ちが直感でわからないのですから、類推して対応しなければほぼ100%外してしまうのです。

どうせ外すなら情報収集の糧にして、次に似たような場面になった時に類推が当たる確率を上げることができれば十分だと考えましょう。

個人的なコツなど

冗談のような方法ですが、十分に情報が集まればそれなりに精度は上がっていくと実感しています。
とはいえそれを実感するまでに十数年かかっていますが。。。

それでも「まったくわからないよりはいいかもしれない」と思える方は試してみる価値があると思います。

最後にもう少し個人的なコツを書いておこうと思います。

大まかな人格ごとに状態と感情を想像する

職場や学校でよく会う人についてこの類推がうまく機能するようになってきたら、もう一歩進んでみましょう。

うまく機能する人がどんな人かを自分なりに分類してみましょう。
そうすることで、初めて会った人と似ているよく会う人の類推をある程度当てはめることができるようになると思います。

もちろん最初はほとんど当たらないと思いますが、完全に初めて会う人に対応するよりも相手の気持ちを想像しやすくなると思います。
そのうち「この人に対してはよく会うあの人のこの部分はよく似てそう」なんてことがわかるようになってきます。

こんな具合で自分なりに分類していくことで、だんだん初対面の人に対する類推の精度も向上していきます。

相手がどんな人か予想できない時は、ナイーブで傷つきやすい人だと思って接する

相手がどんな人かいまいちよくわからないということもよくあります。

そういう場合はナイーブで傷つきやすい人と想定しておくと間違いありません。
そうしておくとかなりソフトな人当たりになると思いますので、悪印象や敵対心を持たれる確率はかなり低くなると思います。

それから話していく中でどんな人なのかわかってきてから、そういう人格として類推していけばよいと思います。

クロージング

めんどくさいうえに人間味も何もないお話ではありますが、時間をかければそれなりに人の気持ちを想像できるようになるよというお話でした。

書いてて思ったのは、やってることはほとんどAIみたいだなぁということでした。

それでもやっていれば周りの人から「人当たりがソフトでいいね!」なんて言われるようになったりするので面白いものです。
かなり長期的な取り組みになりますが、数年前とは全く違うコミュニケーションをとれるようになりますので、試してみる価値はあると思います。

ここまで見ていただきありがとうございました。 見ていただいた方にいいことがありますように。